「インターンシップ」は労働か、それとも教育か。

2016年は、相変わらず人手不足であり、企業は人材をほしがっている。新卒の採用も従来の大学3年生の12月解禁、4年生時の4月に選考開始が、学生本来の学業専念に支障をきたす事から、3月解禁、8月に選考開始に変わった。しかしながら、これも形骸化はなはだしく、実質6月から選考開始になった。つまり、解禁から選考にいたる期間が短くなっている。

では、学生にどんな影響が出るのか。まず、解禁から選考までの日程が詰まったせいで(実質3ヶ月)業界・企業研究(※卒業生の声や企業の声を聴く)に時間が割けない、ゆえにミスマッチが増える。また、企業側から見ると、優秀な人材を確保するために、去年から話題になっている「終わハラ」(※企業が学生に対し、就職活動を早く終わらせ、他社を受けさせないように囲い込むこと)が多くなる懸念がある。

話は変わるが、昨今、「インターンシップ」(職場体験)制度が、多くなっている。企業側としては、学生に強い印象を持ってもらい、口コミで学生に企業イメージを喧伝してもらえるメリットがある。しかし、その中身はほぼ6割の企業は、人事部が受け入れ先になっており、学生からは、本来業務に就けず(営業や編集など)、会社の中身が分からずじまいの場合が多い。学生にしても、そうは言っても、「インターンシップ」を受けることで、その企業の社員から直接フィードバックがあり仕事や職場の体験が出来た上、会社の中身が見られることや、また、意識の高い学生同士の出会いの場にもなっていることで、その後の就職活動に役に立つ側面はある。しかしながら、問題の本質は、「インターンシップ」と称し、会社の中身を見せる会社と、見せない会社があることである。つまり、「インターンシップ」を悪用し、学生を囲い込む手段にしている会社が散見されることだ。

インターンップ

例えば、業界でも名の通ったIT会社でさえ、地方の大学を卒業予定の学生に対し、「インターンシップ」の名目の元、長時間無給で労働させ、段階を追って責任を負わせ辞めづらくさせる例もある。会社は、ともすると無給或いは、低賃金で学生を戦力として使ってしまうのだ。

インターシップ ビル

「インターンシップ」とは、本来なんであろうか。「労働」なのか「教育」なのか。ここがいま曖昧になり、セミナー形式だけの「インターンシップ」も存在しているという。学生を労働させるからには最低賃金法にかなった、給料を払うべきである。

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